40年間、真面目に働いて、税金を納め続けた。
定年を迎えて、ようやく年金生活。
ここでやっと、重い負担から解放される。
そう思いますよね。ところが、そう単純ではないのが現実です。
まず、国民年金の満額は、2025年度で月におよそ6万9千円です。
(2026年度は約7万600円)。
40年間、保険料をすべて納めた人が受け取れる金額です。決して多くはありません。
そして、この年金からも、お金が引かれていきます。
主に、介護保険料と、健康保険料(後期高齢者医療保険料)です。
多くの場合、年金から自動的に天引きされる仕組みになっています。
つまり、受け取る前から、手元に残る額はさらに少なくなっているのです。
介護保険は2000年に始まった比較的新しい仕組みで、高齢化が進むなか、支える側だけでなく、年金を受け取る高齢者自身も保険料を負担する形になっています。
ただし、正確にお伝えします。年金が満額の6万9千円ほどだけで暮らす人は、その多くが「住民税非課税」にあたり、所得税や住民税はかからないことが一般的です。
「あらゆる税が引かれる」というより、老後も社会保険料の負担は続く、というのが実際のところです。
それでも、月6万円台から保険料が引かれれば、食費や光熱費、通信費を払ったあとに残るお金は、ごくわずかです。
病院に行くのをためらう人がいる、という現実も、決して大げさではありません。
ここで、よく比べられるのが政治家の年金です。
「国家議員は特別な年金で悠々自適だ」と語られることがあります。
ただ、これは今の制度とは違います。国会議員の特別な年金(互助年金)は、2006年に廃止されました。
それ以降に当選した議員は、私たちと同じ国民年金に加入するだけです。もっとも、廃止より前に10年以上務めた元議員には、減額されたうえで今も支給が続いています。
ここは「昔の名残」として残っている部分です。
大切なのは、正しい事実の上で怒ることです。
現役時代に何百万、ときに一千万円を超える税や保険料を納めてきた人が、老後に月6万円台で暮らしている。
この重さは紛れもない事実です。
老後も負担が続くこの仕組みを、どう感じますか。
