政治のお金と聞くと、「裏金」「不正」といった言葉を思い浮かべるかもしれません。
でも、いちばん知っておくべきなのは、違法なお金ではありません。
すべて合法のまま、静かに回り続けているお金の流れです。
まず、数字を見てみます。自民党には「国民政治協会」という、献金を受け取る専用の団体があります。
ここには企業や業界団体から、年間およそ30億円が集まります。
そして、その7〜8割が、あらためて自民党本部へと渡っていきます。
これは東洋経済などのメディアが報じています。
献金する顔ぶれは、日本を代表する大企業です。
自動車、化学、電機、金融。
名前を聞けば誰もが知る会社が並びます。
ここで大切なのは、この献金が「違法」ではないという点です。
政治資金規正法というルールの範囲内で、正々堂々と行われています。
企業側は「政策本位の政治や、健全な民主主義のための貢献だ」と説明しています。
なお、企業が献金できる額には資本金に応じた上限があり、大きな会社ほど多く出せる仕組みになっています。
では、なぜ企業はお金を出すのでしょうか。
ある経済団体の首脳は、献金にあたって「(政党が)そのとおりやってくれるかどうかをきちんと見る」と語ったと報じられています。
つまり、望む政策が実現されるかを見ながら支援する、という関係です。
お金と政策が、ゆるやかに結びついていることがうかがえます。
こうした構造には、昔から批判もあります。
例えば海外支援(ODA)のように、税金を使う大きな事業を受注した企業が、めぐりめぐって政治にお金を返しているのではないか、そう疑う声もあります。
ただし、特定の事業と献金を直接結びつける証拠があるわけではありません。
大切なのは、怒ることよりも、知っておくことです。
誰が誰にお金を出し、その見返りに何を期待しているのか。
その流れは、法律で「公開」することが決められています。
私たち一人ひとりがその数字を読み、選挙で判断すること。
それが、この静かなお金の流れに対して、対抗できる唯一の手段です。
